日本気管食道科学会会報 第73巻3号
48/76

226681048443いままPBを発症したものは2例(5%)と少なかった。 治療に関しては,28例(74%)で2日以上の人工呼吸管理を要しており,最長は54日間であった。また,26%(10例:症例4, 6, 7, 11, 13, 17, 24, 25, 27, 28)で初回の気管支鏡処置だけでは完全に粘液栓を除去できなかった。初回除去後に症状の再燃を認めた13%(5例:症例7, 11, 13, 25, 27)においては複数回の気管支鏡処置を要した。体外膜型人工肺(Extracorporeal membrane oxygenation:ECMO)を使用して治療した症例は11%(4例:症例11, 22, 23, 26)あり,気管挿管・初回気管支鏡日気食会報,73(3),2022No.著者報告年齢(歳)性側TypeGroup17大軒22)2010181920212223井上23)201024鈴木7)2015Yuki29)2019表2 1992〜2020年にPlastic bronchitisに対して気管支鏡での治療を行った38症例(つづき)4MLIIII1ML不明III1ML不明III3FRIII4M両不明I1FR不明III9F両不明I2MR不明III9F両不明III25江村24)2012I26Tonan25)201211FL不明IIII27木村26)201310FR28齋藤27)2013II3MLI7MRI29I5M両I30I5MR31IIII7M両I32III336FRI4ML不明34世良28)2018I11ML不明III35I7MR不明36376FR不明IIII4ML38伊東山2021先行感染Flu B+RSウイルス不明不明Flu BFlu B麻疹肺炎Flu BHBoV気道感染新型Flu A/H1N1不明上気道炎症状ありクラミジア肺炎新型Flu A/H1N1記載なし記載なし新型Flu H1N1記載なし記載なしFlu BFlu B(山形系統)溶連菌感染ヒトニューモウイルス242検査後も十分な呼吸循環動態の改善が得られない症例に対して導入されていた。 治療後の転帰に関しては,全体で35例(92%)が重篤な後遺症なく改善しており,死亡に至ったのは1例(症例30)のみであったが,これはインフルエンザ感染後の心筋炎による死亡であったとの記録でありPBそのものとの関与は不明である。先述したBroganらの報告5)では,Group I〜III全体でのPBの致死率を16%,内訳はそれぞれ0/29/17%であったと報告しており,Group(I+III)で計算すると8%の致死率であった。それに比して,本邦におけるPBの致死率はさほど高くないが,心肺停MV(日)ECMO使用治療後の転帰(特に問題なく軽快したものは記載なし)気管支鏡処置後も無気肺を反復複数回粘液栓を喀出,吸引除去11退院1カ月後に声帯麻痺にて気管切開実施あり喉頭浮腫で抜管困難となり気あり一過性の片側声帯麻痺管切開実施気管支鏡処置後に気管再閉塞で心肺停止低酸素脳症,重度の精神発達障害が残存7日間に渡って連日の気管支鏡処置165413714あり2回の気管支鏡処置退院25日後にPB再発,保存的加療で改善心筋炎を合併し死亡(詳細不明)Flu脳症を発症

元のページ  ../index.html#48

このブックを見る