学会紹介

理事長あいさつ

巻頭言 御挨拶

特定非営利活動法人 日本気管食道科学会 理事長
防衛医科大学校 耳鼻咽喉科
塩谷 彰浩

理事長

このたび,平成31・32 年度の理事長を拝命いたしました。大変光栄に存じますと同時に,重責に身の引き締まる思いでございます。本学会の発展のために,全身全霊をささげ努力する所存でございますので,どうぞよろしくお願い申し上げます。

本学会は,昭和24年11月20日に設立され,昨年70周年を迎えたばかりですが,昭和25年5月29日には日本医学会第41分科会として正式に加入が認められており,歴史が長くまた地位も確立された学会であると言えます。現在,3000名弱の会員数を誇り,うち専門医も1200名強を数えます。

本学会の設立にご尽力された初代会長の小野譲先生が,気管食道科学会の気管とは気管そのものではなく,鼻腔,喉頭,気管,気管支,肺に至るひとつの気道を意味し,食道も同様に咽頭から食道までのひとつの食道を意味する,と述べていらっしゃいます。今でこそ,管腔をひとつの臓器として考えることは常識でありますが,先生は本学会の黎明期にすでにこのことを見抜き, 気道も食道もひとつの学際的,横断的な学問であるというまさにこの学会の本質を示しておられ たのです。耳鼻咽喉科,消化器外科,呼吸器外科・内科,形成外科,放射線科,麻酔科など多くの専門家が参加している多科協調的な特質こそ,本学会の存在意義であり,大切にして伸ばしていくべきものと思っております。単科的視点だけでなく,違った側面や広い視野からの考え方を学べ,交流や意見交換の範囲も広がり,その結果として,日々の臨床や研究も幅広く充実したものになりますので,学術集会や機関誌もこのような特性を強調すべきと考えております。

本学会の喫緊の課題として,気管食道科専門医制度があります。日本専門医機構は,今までは基本領域の専門医制度整備を中心に活動し,サブスペシャルティ領域の専門医制度(いわゆる2階部分)で承認されたものは限られていましたが,今年に入りサブスペシャルティ領域の専門医制度の整備に本格的に着手しはじめました。現在気管食道科専門医は,未承認の状態ですが,この機会に是非機構承認の専門医制度として,確固たる地位のあるものにしたいと考えております。機構承認を得るには,専門医像や社会的使命の明確化,基本領域学会の承認,カリキュラ ム,研修施設,指導医の整備など多くの要件をクリアしなければなりませんが,何とか達成したいと思っております。

本学会の使命のひとつとして,マニュアルやガイドラインの作成があげられます。これまで, 「外科的気道確保マニュアル」と「気道食道異物摘出マニュアル」の2つのマニュアルを出版して参りましたが,まさに当学会がリードして担うべき領域が取り上げられています。今後もマニュアルの時代に即したアップデートや新たなガイドラインを発行するなど,当該領域のリーダーとして的確な情報発信を行い,社会貢献も進めていきたいと思います。

その他にも,本学会が行うべきことはまだまだたくさんありますが,学会の発展には会員の先生方のご支援が不可欠でございます。会員の先生方におかれましては,何卒よろしくお願い申し上げます。また,この日本気管食道科学会の学際性に魅力を感じられた,多くの先生方が新たに本学会の会員となられ,日々進歩していく医学に即した新しい時代の気管食道科学会に育っていくことも,心から願っております。